STAFF Report

AMG G36L (W463) ワンオフ製作STORY

東京都 S様

お客様(以下:S):ゲレンデのレスポンスを良くするにはどうしたらいいですかね?前期型なんだけど。
当社スタッフ(以下:E):それでしたらセンタータイコなんてお勧めですけど。
S:あ、4本出しにしたいんだよね・・・。
E:あぁ、4本出しですか。。。へ?!前期で4本出しですか?
S:できますか?
E:やってやれないことは無いと思いますけど・・・。もしかしたらうるさくなっちゃうかもしれません。
S:どうでしょう?
E:一度お車見せてもらってもよろしいですか?車見ながら考えます。。。
S:じゃ、頼んだ。ちなみに触媒変えるとどのくらい違います?
E:笑いが止まらないくらい変わりますヨ♪
S:じゃ、それも一緒に頼んだ。
E:喜んで!(あ、言っちゃった、、、。)

以上、事実にちょいと脚色を加えたストーリーではございましたが、まぁこれに近いやり取りでノリでGOサインを出してしまったものの、ココ1年で一番悩んだワンオフです。(ちなみに社長のピーターは眠れない夜が続き、スタッフAは寝込みました。残されたT君一人が孤軍奮闘で他の仕事を頑張ってました!)

とりあえず、
「左右4本出しで、できる限り静かに。」
というテーマで製作開始!

W463-01
こちらは左側のテールです。

W463-01
☆ 幻の右 ☆

W463-01
触媒~センターマフラーへと続くメインパイプです。

W463-01
こちらが上の全てを繋ぎ、音量・音質の調整をしてくれるメインタイコ&サブタイコの一体物です。

(通称: くらげちゃん

W463-01
全てを合わせると、このような状態になります。

W463-01
こちらが「くらげちゃん」を受け止めてくれるステーです。
近くに適した穴がなかったこと、タイコに結構な重量があることを考慮し、フレームに直接溶接いたしました。

車両装着イメージ

お客様のご希望は

  • 左右4本出しであること
  • 低速~中速域のトルクが上がっており、上までスムースに吹けあがること
  • 可能な限り静かであること
  • 左右の排気バランスが取れていること

とのことでした。
W463前期型の場合「センタータイコの交換」だけでもかなりスムースに吹けあがってくれるところを、さらに「純正触媒→メタル触媒」への変更もありましたので、パワー・レスポンスに関しての不安材料は全くといっていいほどありませんでした。ただ、大きな不安材料として残ったものが

  • いったいどうやって音を殺すのか?

ただ一点です。まろやかな音を奏でるためにお客様との打ち合わせの段階でテール部にはRSタイプⅢを選択し、あとは「タイコをどうするか?」で結構頭を悩ませました。
純正のタイコスペース(左側)にタイコを設けて左側の排気流量を増やし消音効果を稼ぐとか、そこまで全ての排ガスを持って行きなが~いパイプを右側のテールまで引くなどといったことも考えましたが、排気バランスを考慮した結果としては「メインタイコでできる限りの消音」をしサブタイコで「音質の調整」をすることにより、そこそこ静かなものが完成いたしました。
後日触媒付近に装着する脱着可能な専用のサイレンサーを追加ワンオフし、純正に匹敵するほどの静音性を手に入れたことを追記させていただきます。

R230に引き続き、久々に「やっちゃいました!」
いやはや、やればできるもんですねぇ・・・。改めて人間ってすごいなぁ~と実感。
前期型の4本出しはずっと前から考えてはいたものの、製作に踏み切る勇気が今一歩出なかったことと、当社の開発用車両がE/G及びA/Tトラブル(Gクラスの持病に見事にかかってしまいました)によりドナドナされていったことなどもありずっと断念していたんです。しかしお客様のお声というものは偉大でございまして、ずっとくすぶっていたGクラス開発意欲をとてつもなく再燃させてくれました。(結果3人中2人が知恵熱に。)
この車に限った話ではありませんがお車をお渡しした際のお客様の素敵な笑顔、本当に励みになります。その笑顔で次への制作意欲が沸いてきます。今回はついでに健康まで取り戻すことができました!
しかし、いいあのかなぁ?よく考えるとこの車って「AMG」なんだよなぁ・・・。

サウンド動画

お客様からのメッセージ

すばらしいマフラーだと思います。
当方のW463は経年劣化でマフラーが腐食してきており4本出しマフラー装着を考えております。
(触媒交換を含め)
但し私の場合はある程度の音量がほしいと思っております。一度ご相談したく思っています。

(東京都 小前 喜敬 様)

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